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「就労支援事業所でアルバイト?笑わせるな」精神科病棟収容日誌(10)

収容第9日 2017/6/8

1

 うちの就労支援事業所に入りたがっている、女の子が居るらしい。
 彼女も現在は入院中で、先日からやっと食事が摂られる容態になった、と言う。人伝に私はそう聞いたのだ。
 しかし詳細を知ると、私は正直なところ、首を捻らずには居られない事情に思えた。

 

2

 彼女は未来にまだ希望のある、10代の子だったのだ。更に、現在は休学中と言う。そして、退院してから数か月のみ、事業所にて「アルバイト」をしたいと話しているらしい。
 もうここで駄目。「アルバイト」と言う観点から、大きな勘違いを彼女は犯している。しかも休学しながら、就労支援事業所に通うと言う矛盾の存在を分かっていない。
 これは、うちの事業所側に大元の問題があると思う。
 事業所は人員が入所するまで、「ここは作業所で、死ぬ程に賃金が低いです」「あなたがここに来ているのは、一般就労が困難だと判断されているからですよ」と言う事情を、全く持って明かそうとしない。何も知らずに入所した私の賃金、正式な名称は「工賃」なのだが、これは最初、時給220円だった。その上、「障害福祉サービス費」として利用日ごとに200円が行政に引かれて行く。つまり、待遇としては完全に別の次元でアルバイトの勤務を行った方が断然に条件が良く、自己卑下感に苛まれる事もまだ少なく、そもそも事業所の目的とアルバイトの目的が違う、と思われるのだ。

 

3

 更に正直を書こう。これはあくまで個人的な見解で、自分の姿を捉えたものなのだが、うちの事業所は私を例とした社会不適合者、又は人間のクズとも言うべき存在が少なからず居る。自分はそう言う事はしないのだが、「今日は気分が乗らないから」「雨が降っているから」と言って勤務を休む者が沢山に居る程度の低さよ。そう言った現実を目の当たりにしている為に、そして一括りに見られてしまう為に、私は自分を否定した挙句、自信を失った。
 確かに、作業の効率的な進め方、生活習慣、勤務姿勢と言った目に見えない大切な事を、多々に学ばせて貰ったのだけれども、一歩でも事業所から外に出ると、身分は「作業所員」。しかも私は大卒だ。自尊心と積み重ねた努力を完全に打ち砕かれて何も残らず、選べる仕事は希望のフルタイム勤務すら叶わずに、パート勤務へと移行しようとしている。
 私は、障害年金を受給する自分も恥じている。
 だから、パート勤務が希望出来なかったのだ。

 

4

 この様な場所を、休学して数か月だけ通いたい、と願う人にはとても薦められない。しかも食事がやっと摂られた位の体力具合ならば、猶更だ。
 結論として、私は彼女へとアドバイスを求められている為に、こう言おうと思う。
「あなたへ本当に必要だと病院側が判断したら、誘いが来る。そうで無ければ、来ないから心配するな」
 私が彼女の労働意欲をどうこう言える立場では無いし、彼女からしても、一事業所員に個人的見解を押し付けられたく無いだろう。
 ただ、最近の子供は世間を甘く見ていると思わずには居られない話だった。何の為に数か月も休学して休養するのか、そして何故にその間はアルバイトを行うつもりなのか。彼女は、消費される休学費用と、休養の意味を考えてみたら良いと思う。
 因みに、うちの事業所はアルバイト勤務すら適合しない人物が集まる場所だと言う実態もある。私も大学時代に、某大手アパレル人事から「あなた、心の病気でしょう」と断言され、呆気無くアルバイト面接すら駄目になった。

 

小話

 世間を舐めている子供は多い。そう言いつつ、事業所へと通うまでは私もその予備軍、と言うか留年軍だったので、人の事をそこまで偉そうには言えないのだ。この観点では、事業所へと文中の女の子が通う意味は有るかも知れない。