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作家志望の発達障害/統合失調症者が展開する文章世界!

「ドライヤーの作動音と人間の奇声は似ている」精神科病棟収容日誌(7)

収容第6日 2017/6/5

 

1

 

 一昨日から病棟の奥にある救急治療室から謎の奇声が響く。どうやら最近まで私と同じ病棟に入院していた女性が発しているらしい。しかしこれも精神科病棟では当然の事で、自分は大して驚かないし、最早、他の患者が使っているドライヤーの作動音とその奇声が同様に聞こえる。つまり、ドライヤーの音をある時は奇声かと勘違いし、ある時は奇声をドライヤーの音と勘違いしてしまう。これは如何なものだろうか、健常的社会からすると。

 

2

 

 昨日は母親が面会に来た。過去に私へと与えた行動については一切に触れられなかった。それは意図してかそうで無いかを判断し兼ねるが、少なくとも当方は「申し訳が無かった。すみません」と言って欲しい。
 当たり障りの無い事を話し、連絡事項を伝えて面会は終わったが、私はやはりこの親は駄目だと思う。話の核心に気付かない。一方的に「応援している」「こうしなさい」と言われる事が多く、最後には「後日、父さんも病院に来るから」と言い残された。
 来なくていい。

 

3

 

 母親が持つ視点について書くと、私が就職活動で難航して潰れる事は目に見えていたらしい。それを早く言ってくれたら、私も頑張ろうとしなかった。と言うのは責任転嫁だ。考えるだけに留めよう。
 周囲の一致した意見として、「今はとにかく休め」と言う事がある。休んだら職探しに対する見方も変わり、私の選択する職業範囲も広がるのでは、そう母親は言う。
 あなたが言っても説得力がありません。
 健常者で有資格者に言われてもどうしようもないのです。
 何しろ私は障害者で傷物人間ですから。
 口を酸っぱくして「精神と発達の障害者の場合、一般はおろか、障害者雇用ですら採用されにくい」と私は言っているのに、「NHKのテレビ番組で記者の募集のテロップが流れていた」と的外れなアドバイスを受けてしまう始末。テレビ放送のテロップにての告知ならば、志望者が沢山に集まり、当たり前ながら障害者は弾かれると言う現実が分からないのか、と私は思う。ここが健常者と障害者の相違だろうか。私の親が変なだけだとも思えるが。

 

4

 

 それにしてもフルタイム勤務はもう諦めようと思う。募集は私の種別の障害者には余り該当しない、そう聞かせてくれた人に私は訊ねた。
「では、パートと障害年金で暮らすと言うパターンは在りますか」
 そう私が訊ねると、相手からはイエス、と返って来た。自分にとって大検合格や大学卒業は、自己満足の範疇で帰結する事象らしい。そこは割り切るしか無いだろうか。障害者雇用は学歴を問われない募集が大抵だからだ。その割に、私は不採用通知しか頂いていないのだが。
 A型作業所は特性上、自分に合わないと感じるので、一般企業のパート勤務を目標に掲げようと思う。一方で余暇は文芸活動に充てる。そうすれば仕事と息抜きの両立が可能だ。
 私は何かを殴り書かないと潰れる。

 

小話

 

 体調は随分と向上している。今日から集団作業療法に参加する様に言われている反面、「大和さんは病室で書くことが作業療法になっているから」とも話される。私は休憩が課題の上、文学賞の応募に向けて一人で書きたい為、何とか集団では無く、病室にて作業する方法を執りたい。