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「精神科病棟小児観察記録」精神科病棟収容日誌(4)

収容第3日 2017/6/2

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 私は休憩が目的とされた入院の為、院内を自由に歩き回る事が許可されている。
 その為に食事は病棟では無く、病院内のカフェテリアで、デイケアに所属している人々と共に摂らなければならない。階段を上り下りするだけで目眩が起きて大変に辛い事と、人の混雑具合に辟易してしまう。

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 しかし私がカフェテリアで食事を摂っていて、一番に憂慮するのは入院患者に多くの子供が含まれているのを見受ける事だ。
 私自身も高校生で初めてこの科に入院したので分かるのだが、現代社会に於いて、「あの人は精神病院に入っていたらしい」と見られた時のリスクは大きい。何しろ、私の場合は「精神科に通っている」と発言しただけでも、「ええ!怖い!」と大変に率直な感想を、友人からお聞かせ頂いた経験がある。
    それを踏まえると、入院と言う局面を迎えた場合の、周囲から受ける反応は推して知るべきだろう。あくまで私の場合は十五年前の話なので、現在は社会に於ける精神科退院患者への処遇がどうなっているのかは、よく分からないが。
 少なくとも、この病院の近隣にある学校の生徒諸君は、私達の事を「キチガイ」とこれまた率直に呼称しているとの事。世間はかくも冷徹なものか。その呼称は外れている、と言えない自分が悔しい。

3

 子供の話に戻るが、それこそ小学生とも思われる患者がカフェテリアに元気よくうろついている。彼等は恐らく、自分達の将来に置かれる立場を認識していないのでは無いだろうか。逆に、学校なり家庭に戻って、「俺、精神病院帰りの人間だぜ!」と言い切る場合はあるかも知れない。しかしそれは本当に強い子だけの話だ。基本的に精神科は弱者が訪れる場所であり、強い者は元々からこう言った場所には来ない。
 私は流石に通院歴が十五年を突破した為、今や精神医療は自身を構成する一部となっている。「私、精神病院に出入りしているぜ!」と表向きには言わないものの、裏ではこうしてインターネットと言う不特定多数が閲覧する場にて、大和柚希の名で公言中だ。

4

 公言と言えば、一昨日に一人暮らしのアパートから入院病棟へ向かうタクシーの中で、運転手と私はこう交わした。
大和「私、これから精神科に入院するのですよね。自律神経を壊してしまって」
運転手「そうですか。あなたは何でも真剣に考えるタイプでは?」
大和「はい。とにかく全てを考え込みます」
運転手「それはきついでしょう。力を抜くところは抜かないと」
 運転手の話す事は尤もだ。私はそれが出来なくて入院の運びとなったのだから。病棟でも「ここでは頑張らない事を目標にしなさい」と言われた。
 その割には、朝七時から日誌を綴っている自分が居るのだが。

小話

 子供の件だけれども、こいつら本当に精神科患者なのか、と疑わしくなる程に五月蠅くて堪らない。私が某大学病院の精神科に収容されていた高校中退直後時代は、人生に絶望し切っていて、とても騒ぐ気力が持てなかった。
 近頃の子育てなり、子供の性質なりはおかしいのか。それとも私が異常だったのか、それは不明だ。