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作家志望の発達障害/統合失調症者が展開する文章世界!

第四談 精神科医「こう言っては何だけれども」ー(5)大検修了後、ただの人

ー色々と、一つの表現から意味を取ったのですね。
 はい。本当に文学表現は深くて面白い。勉学と読書の賜物です。私の場合は、妄想癖も多少は関係しているでしょう。
ー考える事が嫌い、分かり難いものは苦手、と言う人も多く居ますが。
 私はそれとは逆方向へ走ります。もうこれは、性質としか呼べません。だから大学では、そう言った内容を専攻したいと考えました。
ー文学と言語を遣って、考え、分かり難いものを追い求める。
 イコール、哲学ですよね。

 
ーそれであなたは、志望する大学を絞ったのですか。
 簡単に目標は見付かりました。健康面を考えると、一人暮らしは至難の業ですから、県内。そして、交通の便が良い立地。更に、専攻科目に哲学がある学部。残ったのは、西南学院大学の神学部と福岡大学人文学部でした。
ーその二校の偏差値は、どうでしたか。
 そこそこ、です。
ー大学を受ける以前に、大検に合格しないといけませんが。
 大検は、実を言うと、基礎を身に付けたら対応が出来ます。大学病院を退院した後、実際の過去問を解いて、「へえ」と自分に感心しました。
ー一安心、と言った所ですね。
 でも、人が怖いのは変わらず。本番で具合が悪くならないか、心配でした。
ーそこで駄目だったら、大学には行けませんよ。
 尤もです。大学病院で、外来で新しい先生の元へと通いながら、薬を飲みつつ、大検を受けました。福岡県立博多青松高校と言う、単位制の学校が会場でした。
ー混乱は起こしませんでしたか。
 必死で堪えました。近くに福岡空港があって、航空機が滑空する音がやたらと響いていたので、そちらへ意識を向けつつ、何とか。それが同年の八月です。大学病院を退院して、一か月半が経った頃。
ー検定の結果はいつ分かりましたか。
 同年の九月です。成績は、A、B、C、D、Eと評価されるのですが、私はAとBのみを取りました。全科目を一回で合格。
ー嬉しかったでしょう。
 はい。私は十月生まれで、その時は十七歳。法律で十八歳に達するまで、大検は効力を成さないと定められていたので、暫くはただの人でした。