SPARKILLING

作家志望の発達障害/統合失調症者が展開する文章世界!

第一談 同級生「消えればいいのに」ー(1)だけど何も思わない

―あなたは目が虚ろです。
 そうでしょうね。人生の半分を生き地獄で過ごしていますから。
―もう半分はそうで無いと言う事ですよね。
 いいえ、違います。生き地獄とは「生きながら辛い思いをしている」人が言われるべき表現です。私は自分が辛いのかどうか分からない時も多々、あります。
―感覚が麻痺していると言う事でしょうか。
 本人に、麻痺しているかどうかと言うのは分からないと思います。何せ、当人は何も感じないのでしょう?そう言う人がどう自分の感覚を理解しますか。

―周りはそう言ったあなたの事を、何と言っていますか。
 「大和さんは愛情を感じる機能が完全に動いていない」と最近、評価されました。そう言われると、麻痺と言うよりも、破壊された結果と言う気がします。
―感じない、のでは無くて完全に出来ない、と言う。
 自分では何とも言えませんけれども。結果は同じでも、過程なり、今後の期待値なりが違いますよね、その二者は。
―前者は潰れかかっているけれども、復活する可能性がある。
 はい。後者は完全に潰れて、救いが見込めない。出来るとしたら、再構築を試みる事でしょうか。けれども、それを何者がするのか、という問題が出て来ます。
―本人の努力か、周りからの援助ではありませんか。
 それは一般論です。だから私は嫌になります。訊ねますが、本人は感覚が死んでいて、しかも周りの感覚も感知が出来ない。ここで頑張るとか、周りに助けを求めるとか、出来ますか?
―けれども、あなたは精神科に通っていて、多少なりとも友人が居るのでしょう。
 加えて、今は就職活動もしています。けれども、それらは全部、自己実現が目的です。別に感覚を手に入れようとか、他者と無理に共存しようとか、思っていません。
自己実現とはどう言う事ですか。
 自己満足とほぼ同じです。自分が現実に納得出来ないから、動いています。周りの目も気になりますし。
―納得出来ないのは、感覚がある証拠では。
 そうだと良いですね。「くそっ」とはよく思います。けれども、それは他から受ける影響と言うより、自分に因る心の動きではありませんか。不満とか、怒りみたいな。
―話を聞いていると、あなたは他者を排除している印象を受けます。
 当たっている、と言うよりも、そうしないと生きられません。本当は誰も信じたくない。
―でも、あなたは嘘でも誰かを信じようとしているのですね。
 はい。相反しますね、「嘘」と「信じよう」と言うのは。恐らく「信じない」と決めて生きたら、もっと楽でしょう。望みを持つから、苦しくなる。
―その危険を敢えて、冒している現状がありますが。
 私からすると、信じ合う行動が気持ち悪くて堪りません。その気持ち悪さを解明する為に、信じる体験をしてみたいのでは、と解釈しています。
―無知を知によって解する、と言ったものでしょうね。
 実現が出来るかどうかは不明ですけれども。何せ、感覚が動かないと他者に言われてしまっては終わりですから。
―早くも終わってしまいましたが。
 私はそれにも納得が行かないです。自ら進んでもがきます。好きでも無いのに、苦労に嵌まって、何をしているのか分からない。
―何かしら目的を持って、そうしているのではありませんか。
 それは場合に因りますね。私は基本的に、動かないと気が済まない性格です。目的は無くとも、取り敢えずは動きます。
―動く、とは、努力するとか頑張る、とは違う意味で遣っていますか。
 はい。動く、は自分の根本的な性質から来ていますから。
―話は戻りますが、どうして他者を信じないのですか。
 いじめ、登校拒否、家庭内孤立、ひきこもり、数えれば数えるだけ出て来ます。それは信じなくなって不思議は無い過程ですよ。自分でも最近はそう客観が出来ます。
―最近、ですか。
 はい。以前は自分が取り立てて変だとは思いませんでした。寧ろ、周りが漫然と生きているのを見て、疑問を持ち続ける。「どうしてあの人は平気なの」とか「何故それだけ悠長に出来るの」とか。
―自分は部外者だ、と俯瞰した感じに捉えられます。
 そうですね。私が言いたい「最近」は、自分や周りを冷静に見られてきたのが、「最近」と言う事です。自分以外の、誰かしら何かしらが、劇的に変わった訳ではありません。
―あなた自身が俯瞰した結果として、部外者、と言う見方となったのですね。
 はい。
―その原因は、自分は違うのだ、と言う疎外感みたいなものでしょうか。
 根本はそうです。疎外から枝葉が広がって、取り返しがつかなくなっているらしい。
―それで麻痺や破壊、と言う言葉が出て来たのでしょうね。
 話は繋がりますよね。更に、現実に納得が行かないからもがいている。結局、私の行う事は現実逃避に他ならない。